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2002年度 社団法人相模原青年会議所
第37代理事長 伊 藤 信 吾
■はじめに −時代の新しい風を掴もう−
21世紀の今、社会は、我々がかつて経験したことのないほど、急激な変化を遂げています。現在、時代は混迷を極めており、いままで
の組織を中心とした集団的なやり方や前例踏襲型の対処のみでは通用しない時代になっております。
そして、かように集団としての効率を優先し、物質的な豊かさやナンバーワンを求める社会が立ち行かなくなった今、かけがえのない命
や自然、個性、人間のこころの豊かさ、オンリーワン等を重視する新しい価値観・人生観が求められています。(社)相模原青年会議所と しても、そのような価値観を実践すべく、昨年策定されたLOM運動指針において、「活力と心の通う共生社会を目指そう」というビジョンを 持つに至りました。
そのような新しい価値観を実践するために、これからの時代は、組織やシステムのみに頼るのではなく、市民一人ひとりの自覚と責任と
発想が問われる時代です。ある意味では非常に厳しい時代になっております。しかしながら、その反面、市民一人ひとりが組織内の役割 を越えて、自由な発想と行動ができる時代でもあります。その意味では、やりがいのある生き生きとした時代が到来していると思います。 戦後、このように個人の発想や情熱がこれほど必要とされている時代はありませんでした。
青年会議所は、類い希な組織力と行動力を有する青年団体です。また、我々は、単なる親睦団体や研修団体にとどまるものではなく、
「まちづくり」を指向し、事業を行う団体です。そして、青年会議所は、いつの時代でも、活気ある「まちづくり」を行う青年団体として時代を リードしてきました。(社)相模原青年会議所においても、今日まで、先輩諸氏の情熱的なまちづくり活動が時代を担って来たことに対し て、深い感謝と尊敬の気持ちで一杯です。
そのような先輩諸氏の活動を、一層発展させて、このような個人の個性・情熱・心の豊かさを重視する時代において、まちづくりを指向
する青年会議所が時代をさらに力強くリードしていかなければなりません。そのためには、時代と歩調を合わせ、何事においても、個人の 発想や情熱を生かして、新しい事業を推進していくべきだと思います。事業を推進する形が問題なのではなく、中身が問われているので す。形がそつなくやっているかではなく、中身に情熱があるかどうかということです。形に責任を持つのにとどまるのではなく、中身に責任 を持つべきです。
そして、また、我々の情熱は、常に市民と共に行動するものでなければいけません。
我々のまちには多くの市民が住んでおります。まちづくりを真剣に考えるなら、市民と一緒に行動することがなければ、市民から認知も
されないし、相手にもされません。事業が有効なまちづくりにはなりません。市民とともに市民の目線で行動することはある意味、まちづく りをするなら、当然のことです。我々の事業を市民とともに考え実行に移すことができれば理想だと思います。
かけがえのない自然・命・個性を尊重する新しい価値観を実践するためには、このような市民の目線での活動を通じて、「まちづくり」を
行政のみに委ねるのではなく、市民の情熱・個性が生かせる新しい市民社会を実現することが不可欠です。
即ち、我々市民一人ひとりが、その情熱・個性をもとに、まちづくりに対して創造性を最大限に発揮し、強い使命感と責任感を持って、主
体的に夢を描き行動することにより、多くの仲間の共感を得て、「まちづくり」を達成していける社会の仕組みを実現しなければなりませ ん。
我々が目指すべきなのは、そのような情熱溢れる活動をとおして、既成の社会で取り残されてきた、かけがえのない命や自然、人間の
こころの豊かさを重視する新しい価値観を共有する地域社会を創造することなのです。
■まちづくりコーディネーター −情熱の新しい風を吹かそう−
我々が「まちづくり」に情熱を傾けるのであれば、どんな事業でも、常に、例年の事業にはない、新しいことをやろうという気持ちが大切だ
と思います。そうでなければ、時代をリードする新しい「まちづくり」を行うことはできません。我々は情熱の強さで集まっている団体です。 その情熱を生かす新しい気持ちを常にもっていなければいけません。そして、単にその場限りの一時的なもので終わらない、参加者の心 に残り、参加者自身がまちづくりに携わるきっかけとなる事業を展開するべきです。
即ち、青年会議所は、団体自らがまちづくりに汗を流すことも必要ですが、それを越えて、まちづくりを行う意思のある市民を育て、また
それらの市民のコーディネーター役となっていくべきだと思います。我々は、まちづくりの各分野の専門家ではありません。しかしながら、 団体の組織的運営に長けており、場づくりについてのノウハウを持つ青年会議所は、まちづくり活動のコーディネーターとなる能力を十分 に有しています。そのようなコーディネータ役を十分にこなせるようになったときに、LOM運動指針で謳った「LOMアイデンティティ」が確 立できるのです。
例えば、青少年事業としての「わんぱくグリーンフェスティバル」は、本年で第8回を迎えます。自然の中で、子供たちの心の豊かさを育
むという趣旨は十分に達成できてきたと認識しております。その成果を踏まえ、私は、同フェスティバルも含めた青少年事業は、対象とな る子供たち一人ひとりの育成とともに、子供たちが成長していく過程の中で、自分一人で生きているのではなく、多くの仲間の中で生きて いること、そして、一人ひとりが自発的にまちづくりに参加するような意識づけができるような事業をするべきだと思います。そのような事 業を繰り返すことで、事業に参加頂いた子供たちを、自分のことのみを考えるのではなく、かけがえのない命や自然、他人の個性を尊重 するような利他的な意識をもつような市民へと育てていくことができるからです。
次に、市民まつりも、本年で29回目を迎えます。相模原最大のまつりとして定着している一大イベントではありますが、すでにまつりとし
ては十分に成熟していると思います。我々は、まつりの運営に参加しつつ、他団体へ運営を移管する方向を見据え、多くの市民や市民団 体に運営に参加していただくことが必要です。多くの市民に市内最大のまつりの運営に参加していただくことにより、市民の目線でのまつ りが可能になりますし、一参加団体として団体の利益を追求している団体においても、市民全体に利するための行動をしていただく端緒と なるからです。
また、「オープンミュージアム in SAGAMI」も実施以来3年が経過しました。昨年は、高田橋周辺で行うことにより多くの市民に参加いた
だくことができました。本年は、多くの市民が集うことはもとより、同イベントを開催することにより、市民の芸術・文化に対する理解をより一 層深めていく工夫が必要となります。また、ひろく外部団体の参加を得た運営形態への架け橋となる運営ができれば、まちづくりコーディ ネーターとしての青年会議所の存在意義が最大限に発揮できると思います。
次に研修活動についてですが、まず、青年会議所活動が明るく楽しくあるべきだということは当然のことです。わいわいと酒宴を囲む中
にも青年会議所の楽しみがあります。しかしながら、我々の団体は単なる仲良し倶楽部ではなく、公益法人格を有し、二度とない人生の中 で、まちづくりを真剣に考える団体です。
私の思う楽しい活動ということは、単なる親睦や知識の収得を越えて、新鮮なひらめきや新しいものの見方に触れる瞬間です。さらに、
新しいことを始めるきっかけになるような例会ができれば理想だと思っております。それが、まちづくりコーディネーター役を推進する人間 力を形成することになります。本年度の研修活動は、そのような人間力を高める刺激のある研修を目指します。
■まちづくりネットワーク −市民(なかま)と新しい風を起こそう−
我々が真にまちづくりを考えるのであれば、長期的な戦略が必要となります。世の中は複雑・多様化しており、単年度の中で効果のある
事業を行うことは難しくなってきております。青年会議所として、一本の機軸を持ち、それを毎年の事業の中で彩っていくことが必要です。 そう言った意味で、まちづくりに取り組む以上は、長期政策が必要だと思います。その趣旨から、昨年度は、「まちづくりネットワーク」「LO Mアイデンティティの確立」を機軸としたLOM運動指針が策定されました。また、諸問題について提言書も発表されております。
本年度は、これらの成果を受けて、LOMが行動していくべき方向性についてのプランを検討したいと思います。特にまちづくりの方向性
については「自立都市」を目指すという内容面と「市町村合併・政令指定都市」という枠組みの問題について、今後の活動の方向性を可能 な限り模索して戦略を練りたいと思います。
もっとも、政策とは、机の上で考えるだけではありません。諸問題に関係している多くの人と会うことだと思っています。会っていろいろな
話を聞くことから、何か刺激を受けることをLOMへフィードバックすることです。我々は学者ではないし、学生でもありません。机の上で、 学問を極めるために青年会議所に入会しているわけではありません。多くの市民の声を反映する中で、政策を検討していくべきです。ネッ トワークとは表面上は、組織と組織との連携ではありますが、実際は組織にいる人と人との信頼と共感の中から生き生きとしたネットワー クが自然と醸成されるものと思います。我々が各事業の中で出会った多くの情熱溢れる気概を持った市民(なかま)との協力関係を次代 へ引き継ぐことが必要です。
それから、私は、事業の一環として、他の市民団体との交流をすすめていきたいと思います。青年会議所の魅力はその類い希な情熱と
行動力にあると思います。それは内向きにあるべきではなく、他団体にその情熱を伝えていく活動が必要だと思っております。必要な協力 はお互いにして、相模原のまちづくりのために力を結集するべきだと思います。
ここ数年、2000年度は「ものを言う団体・行動する団体」を目指し、2001年度は「他団体に理解される青年会議所」を目指しました。
私はさらに一歩すすめて、多くの市民と行動をともにできるような、その端緒となるような活動をしたいと思っております。
私は、将来的には、一つの夢があります。青年会議所が音頭をとって、「相模原市民フォーラム」が開催されるという夢です。メインフォ
ーラムで相模原のまちづくりを考え、その分科会で、青少年問題・相模原の商業の発展や企業の育成・高齢者問題について意見交換を して、それらをまとめて、市民提言に結びつくようなフォーラムです。青年会議所はそういうフォーラムを主催するだけの、行動力と情熱を 有していると思います。
相模原市内でも、多くの市民団体がまちづくりをしようという情熱・行動力で活動しております。このようなフォーラムを実現することによ
り、そのような方々と手を取り合う必要性も痛切に感じております。
本年は、そのようなフォーラムが実現できるようにするためのきっかけづくりになるように、市民団体とのネットワークを推進する青年会
議所活動をしていくべきだと思います。
■JCネットワーク −多くの新しい風を取り込もう−
なによりも、青年会議所はもっともっと外に開かれた団体にならなければなりません。青年会議所のメンバーであるということがもっと普
通のことにならなければなりません。我々の団体は、特殊なステータスを持つ団体ではありません。我々が持つべきなのはステータスで はなく、プライドです。まちづくりに情熱を傾けているプライドなのです。
そこで、まちづくりを共にするメンバーを多く集めるために拡大を重点課題として行います。まず、拡大について(社)相模原青年会議所
としての適正規模を設定し、それに向かう長期計画を策定いたします。そして、当面の目標として、LOM一丸となって拡大活動を行い、10 0名LOMへと復帰したいと思います。
私は、まず青年会議所という団体があって、そのためのメンバーを集めるという考え方は疑問があります。拡大は組織の維持のためだ
けではありません。まちづくりをする同志を募ること自体が、我々の青年会議所運動そのものであります。まちづくりを考える多くの市民を 育成するということ自体が人間力の開発であり、青年会議所の本質的な運動なのです。
具体的には、女性会員はあまりにも少ないと思います。もっと多くの女性が入れるような雰囲気の団体であるべきです。そして、相模原
のまちづくりを考えるのであれば、市内全域からの会員拡大は絶対に必要です。
青年会議所内のネットワークの形成・発展のためには、渉外活動は重要になります。とりわけ、本年は、(社)韓国青年会議所釜山海雲
台青年会議所との姉妹締結20周年にあたります。過去において様々な交流がありましたが、20周年記念事業を節目として、一層の友 情を育み、互いに切磋琢磨することにより、我々がグローバルな視点からのまちづくりができるような意義ある交流をしたいと思います。
同様に、近隣の青年会議所との連携も積極的に行う必要があります。この点、(社)町田青年会議所、多摩青年会議所との3LOM合同
例会も、昨年は関東地区大会を主管するなど、事業を通して一層の交流が進みました。本年の3LOM合同例会は、当LOM主管です が、研修を行うことにより、親睦・交流の意味合いとともに、人間力開発という共通の方向性のもと、相互に切磋琢磨するきっかけとなるよ うな例会に致します。
また、さらに、本年は、交流・親睦を越えて、近隣LOMとのまちづくりに関する協議を行います。近年、地域主権の観点から、市民主導
の市町村の広域連携・市町村合併の必要性が叫ばれておりますが、時代をリードする青年会議所が率先して、日常生活圏が重なる近 隣LOMとの間の広域的なまちづくりに関する協議を行うべきだからです。
そして、LOM内の交流も活発に行う必要があります。昨年は20名以上の新入会員を迎え入れており、今後も拡大活動を重点的に行え
ば行うほど、新しいメンバーが増えていきます。メンバー相互の交流を常に図ることにより、縦割り組織ではできない柔軟な活動を展開し ていくべきです。
また、青年会議所内のデジタル化(ITの推進)は急務です。今やインターネット対応型の携帯電話が急速に普及しており、多くの情報が
瞬時に、あらゆる場所へ流れていきます。我々も時代の流れに取り残されることなく、青年会議所活動を対外的・対内的に広報し、情報を 共有化する手段を確立するべきです。
■組織の運営 −熱意溢れる新しい風を生かそう−
我々は、義務感ではなく、情熱にもとづく使命感で行動するべきです。
メンバーの情熱・意欲を生かすということは、現在の厳しい時代においてメンバーがどのような気持ちで青年会議所活動に参加してる
かを、より一層理解するべきだと思っております。そのような相手を思いやる上での青年会議所活動であるべきです。
我々メンバーは、忙しい仕事の合間を縫って青年会議所に参加しております。そうであるなら、青年会議所活動に苦労は感じても苦痛を
伴うべきではありません。もし、苦痛を感じる状況があるとすれば、会員が苦痛を感じない仕組み・雰囲気を創りあげるべきです。
私は、JC三信条にある「修練」とは、会員一人ひとりが、創造力を磨き、自己の夢を実現するために、実効性ある計画を策定し、仲間の
共感を得て計画に参加してもらい、実践的な行動をすることだと思います。青年会議所活動は、単なる義務感ではなく、「〜をしたい」とい う強い情熱や使命感が原動力となるべきです。そのような活動を通じて真の「友情」が生まれるのです。
各委員会の関係も、情報を交換し合い、助け合う関係であるべきです。そうでないと縦割の硬直した団体になってしまいます。メンバー
それぞれが、全ての事業を自分自身の問題として捉え、一人ひとりの頭で考え、情熱の気持ちで動く団体になるべきです。
次に、青年会議所内部での議論についてです。会議というのは、ややもすると書類の書き方云々の形式的議論に陥りがちです。新しい
ことをやろうという熱意を育てるという観点からは、新しいことをやる趣旨、その効果等の中身について、じっくり議論をする必要があると思 います。
議論は、喧嘩ではありませんし、自己顕示欲を満たすことでもありません。意見の食い違いを話し合うことによってよりよいものを生もう
とするのが議論です。我々の情熱、気持ちを消極的にするような議論はすべきではありません。事業に対する情熱をみんなで生かすた めにどういうことをすべきかを、メンバー一人一人が自分の責任と自覚において考え判断するべきだと思っております。それが、LOM運 動指針において策定された行動理念「豊かな感性と心の結集」の実践となります。
■終わりに −全ては我々が起こす新しい風から始まる−
私は、今年一年、会員全員が生き生きとした活動ができるよう全力を尽くしたいと思います。
青年会議所は、講習会や親睦クラブのようにただいるだけで、会員の皆様に自動的に何かを与えてくれる団体ではありません。逆に青
年会議所のために、皆様が何かをしなければいけないという義務感に縛られる団体でもありません。
青年会議所は、皆様が自ら、ここから何かを得ようと思ったときに、何かをつかみ取っていく場所です。そして、何よりも、ここからつかみ
取るものは、情熱を生かすということだと思います。皆様の会社や家庭に持ち帰って役に立つのは、単なる知識ではなく、人生の全てにお いて、自分の想像力や発想や、情熱を生かすという気持ちの重要性・その実践的な方法を学ぶことだと思います。
私は、あくまでも青年会議所のために、皆様がいるのではなく、皆様のために青年会議所があると思っております。組織ではなく、情熱
溢れる個人が中心となるべきです。
混迷の時代を切り拓くのは、我々青年です。世の中が低迷の時代から抜けきれないのは、単に政治の責任でも、行政の責任でもありま
せんし、大企業や既得権を得ている団体の責任でもありません。さらに言えば、世の中の組織やシステムのみの責任でもありません。何 をおいても、我々、青年一人ひとりの責任であることを強く自覚すべきです。我々は甘えていてはいけないし、躊躇している時間もありませ ん。我々が、自分の責任として時代を変革しようという強い情熱・行動がなければ、世の中は変わるはずもありません。我々は批評家で あってはいけないし、周りを非難することに終始していてはいけません。私は、いつの時代でも、世の中に悪いところがあるのは当たり前だ と思っております。それを切り崩し変革していくことこそが、我々の使命なのです。
私は、理事長として、一年間全力を尽くします。皆様も、お互いの夢・情熱を競い合い、支え合って、一緒に「活力と心の通う共生社会」の
実現を目指しましょう。
一年間どうぞ宜しくお願いいたします。
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