エッセイ〜GCTS


             GCTS参加者
             社団法人相模原青年会議所 理事(広報交流委員長) 柴田正隆




 GCTS、本当に素晴らしい事業でした。素晴らしいの一言に尽きます。
 感動したことは山のようにあるのですが、少し整理しながら報告したいと思います。

 とにかく感動しました。まずなにより、現地の子供たちの可愛さ、素直さそしてこの子達
の背景にある悲惨な日常を思うといつも胸が痛くなりました。

 悲惨と思っているのは私たちの価値観での事であり彼女たち、彼らにとっては充分幸
せなのかな??と言う自問自答を繰り返していました。

 言葉が通用しなくても、充分コミュニケーションは取れる!と言うことを実感しました。

 一緒に過ごした子供たちと別れるとき、空港をいよいよ出発し、フィリピンの地を後に
するとき、「この子達を残してきて良いのか?」という、何ともいえない胸の痛みを感じま
した。今も感じています。




 
 パヤタスのゴミ捨て場での経験は忘れられません。強烈な悪臭(私は差ほど
感じませんでしたが。職業がらですかねえ)のなか、子供たちがはだしでゴミの山を歩き
ゴミの車が来ると、まるで宝物が来たように群がる姿、そこら中からたちあがる自然発
火による火の手、それでも、子供を産みつづけるたくましさ。

 妊婦さんもいましたし、まだ生まれて間もない子供も沢山見かけました。丁度私の子供
と同じくらいの子供たちが、無邪気に手を振ってました。(3歳くらいかな)

 とても、からだに染み付いたゴミ捨て場のにおいを「くさい」といえない、思えない心境
になりました。
 
 この子達は後でも述べますが、40%の確立で生き残っているこどもたちです。

 子供の笑顔は、本当に万国共通です。奇麗ごとではなく実感しました。





 大野専務(編注・社団法人相模原青年会議所専務理事)の言葉。ゴミ捨て場
での事ですが、「しばっちゃん!よわっちーよ!」
乾季のため、誇りがひどく目もあけられないような状況、鼻を突くにおい。当たり前のよう
にタオルを口元に巻いて歩いているわたしの姿を見て、隣の班にいた専務が言いまし
た。

 そのとおりだと思いました。ここに何しに来たのか?観光か?見物か?・・・・実態をし
り、考え、痛み、感ずるために来たんでしょ!・・・・専務の言葉に恥ずかしくなりました。





 日本で見た「神の子達」と言う記録映画で、14歳の少女がいう一言。
「どんなに苦しくても、盗みはしない。盗むくらいなら餓死したほうがましだ」 彼女もやは
り、このパヤタスでゴミ拾いで生活を立てている家族のひとりです。ゴミ捨て場にゴミがこ
なくなってしまったときの一言でした。
 三日間水しか口にしていないときに。こう考えるか!
 人間の精神や魂は、どこで、どう形成されるのか?恵まれた環境で人を殺す少年、親
を敬わない若者。この地で「生きること」が最大の目的であり、それでも家族の絆を失わ
ない人たち。最低限のモラルを持ちつづける少女。

 強烈です。当然、ジャパユキさんや様々なことが頭をよぎりました。どうか、彼女がこの
精神を失わないでほしい。





 一緒に遊んだ子供たちが、食事の時間にご飯を残しました。びっくりしました。「実
際は、食うには困っていないじゃないか」後で聞いたのですが、彼女たち、1日一食と言う
日も多くあり、食事自体を多く取れないそうです。

 元気いっぱいに遊んで、屈託のない笑顔を撒き散らして、疲れきっていても、食事がの
どをとおらない、長年の生活から胃や体が食べ物を多く受けつけないんですね。

 そういえば、本当に皆小さかったです。小学校2.3年生のように見えていましたが、自
己紹介で中学生前後であることが分かりびっくりしました。





 バスに同乗したツアーガイドのおばさんが言った一言。
「日本の子供たちは恵まれてますよね。恵まれ過ぎですよね」ハイスクールに通う為に
は、一年間で800ペソのお金がいるとのこと。このお金が払えなくて、学校に行けない子
供たちが沢山いるとの事。ちなみに800ペソは日本円で約2400円です。

 どうにか学校に行ける子供たちも、1日2交代制の授業を午前と午後にそれぞれ割り
振られて、おおよそ、20畳くらいの教室に70人くらい押し込められた状態で、勉強をす
るそうです。当然空調はありません。トイレは水が流れません。

 先生が圧倒的に不足し【収入が少ないそうです】、この70人2交代の授業を一人で受
け持つそうです。当然授業の内容も知れてきます。

 貧困に教育の低さが拍車を掛けているとは、まさに、かんじました。

 それでも、学校に来れる子はまだ恵まれています。
 私たちが交流プログラムを行っている最中、学校を取り巻くようにして、見ている子供
たちが30人くらいはいました。

 日本は頑張ったから、資本主義世界では『恵まれすぎている」は言い過ぎだ!と思わ
れる方に対して反論する気はありません。

 ただ、その言葉を私は「そうだよな」と重く受け止めました。
 




 青年会議所の素晴らしさに感動しました。
 LOM(編注・各地の青年会議所のこと)内の事業をするにも大変な熱意が必要です。
 ましてや、異国の地で、このような素晴らしい事業を、わずか6ヶ月の準備期間で成し
遂げた、JCメンバーの熱意には大いに感動するとともに、「すごいやつがここにもいる」
と感じました。

 担当委員長の本橋委員長は、淡々と、でも、内に秘めた熱意を感じさせるメンバーで
した。(西東京JC、直直前理事長・・かな?)

 関東地区の会長がGCTSナイトの設営場所の件で、かなり本橋委員長とやりあったと
いう話しを、最後にされていました。例年は、ホテルを借りて行っていたそうです。

 それを「どうしても、このパヤタスのハイスクール、バスケットコートでやりたいんだ。こ
の地で最後を迎えたいんだ」という熱意に押し切られて、実際に学校の敷地内で運営を
したと言う話をされていました。

 すごい!すごい!。本当にすごいと思いました。

 また、デイケアセンターの建設についても、様々な民間団体フィリピン行政担当者を口
説いて回ったとの事。

 オイスカというNGO(?)のフィリピン担当者が、最初本橋委員長が「デイケアセンター
を作りたいから力を貸してくれ」と来たとき「どのように断ろうか、真剣に考えた」と言って
いました。

 「最後は、本橋委員長をはじめとするメンバーの熱意に動かされた」と、その方はいっ
ていました。
 「最後の最後まで、このデイケアセンターの事業に対して、疑心暗鬼になっていたの
は、多分私でしょう。本当に作れるとは思っていなかった。昨日の調印式でやっと、行政
がきちんとこのデイケアセンターを運営することを認めたと思いました」とも、言っていま
した。

 それほど、このパヤタスという土地に、デイケアセンターを作ると言うことは大変なこと
だったようです。

 こんなことを、出来るJC,JCメンバーの一員であることを誇りに思うと同時に、JC活
動の可能性に夢を又持てました。

 また、JC活動の継続性の素晴らしさ、一体感にも感ずる部分がありました。

 同じ班になった若いメンバーが一様にして同じ言葉を言うんです。「JCはやったもん勝
ち、いったもん勝ち、飲んだもん勝ち」と。せっかく研修に行くなら、班長をやって来い。
同じ年会費を払うなら、積極的にやりなよ!そんな意味だと思うのですが、みなその言
葉の意味を、このGCTS,で確信したようでした。

 まだまだありますが、なにより、やはり、「友情」と言う部分に感動しました。
見送りに来てくれたり、出発前に電話をもらったり、餞別を頂いたり、迎えに来てもらった
り、チョコをねだったり・・・・いっぱいです。

 現地で知り合ったJCメンバーとの「友情」も一生の宝物です。

 GCTSの最後を飾ったナイトは、異常な盛り上がりを見せていました。それは、あたか
も、戦地で共に苦労を分かち合った戦友同士のような、盛り上がりにも感じました(ちょ
っと表現が悪いですが)

 こんなに良い仲間が支援をしてくれて、こんなに素晴らしい新たな友人が出来た!本
当に「友情に感謝します」

 奉仕・修練・友情。ものすごく実感・体感した今回の研修でした。
 
青年会議所に入っていなかったら、絶対出来ない経験です。
青年会議所活動を「やったもん勝ち」の精神で参加出来るように支援してくれた、LOM
メンバーのおかげです。




 
 もう二つ付け加えさせてください。
 私が長期の休みを取っても良いような環境を整えてくれた私の会社の全社員に感謝し
てます。

 そして、何も言わず黙々と荷造りをしてくれた家内に本当に感謝です。(何も言わなか
ったのは他意があったとは思っていませんよ!)
細かいものまで入っている僕のスーツケースを見て、一緒の部屋のメンバーが「こんなも
のまで用意したの!?すごいねえ」と言ってくれるたびに「いやあ、かみさんが全部やっ
てくれたんだよ」というのがわたしの、自慢でした。

 本当に、本当に行ってよかったです。

 この経験を目一杯LOMに、家庭に、会社に、地域にフィードバックします。

 みんな、本当にありがとうございました。
 そして、是非、来年は今年以上のメンバーで参加しましょう!

                                            おわり


トップへ
トップへ
戻る
戻る