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理事長 古橋 裕一

『人の道にある あたりまえ』
〜信じ続け、行動し続ける〜

はじめに(綱領を読み解く)

〜われわれ JAYCEEは〜
 現代の日本社会は、経済的・物質的に恵まれ、日々の生活に生命の危険を感じる事無く過ごすことができます。そして、この様な安全で豊かな日本社会を創ったのは、私たちの人生の先輩方です。この当たり前の事に気づき、日々受けているその恩恵に感謝することを忘れてはいけません。
 我々JAYCEEは、「戦後日本の復興は我々青年の責務である」との崇高な志の下に集い、誇り高い活動を行ってきました。この青年会議所内で脈々と受け継がれている崇高な志を自分のものとし、社会創造の主体者として積極的に活動をしていきます。
〜社会的・国家的・国際的な責任を自覚し〜
 最近の日本社会では、個人の利益や権利のみを主張する声が、多く聞かれる様になったと感じます。しかしながら、個人の利益や権利も、社会の秩序が保たれてこそ実現できるという事を忘れてはいけません。社会とは多様な価値観や感性を持った人の集合体です。この集合体の中に居る個々人が、それぞれの利益や権利のみを追求していたのでは、秩序を保つことは不可能です。それぞれが社会の一員としての自覚を持つ事が大切です。
 また、社会に存在する課題やニーズは時代や視点によって変化していきます。我々は、社会全体の変化を常に意識しながら、広い視野と高い志で課題と向き合い、時代に合った運動を展開していかなければなりません。
〜志を同じうする者、相集い、力をあわせ〜
 社会には様々な課題が存在し、そのどれもが複雑に絡み合っています。だからこそ、一つの課題を解決していく為にも、多くの人の知恵や意見が必要です。同じ志をもった多くの仲間が集い、議論を交わし、お互いを磨きながら、一致団結して活動をしていきましょう。
〜青年としての英知と勇気と情熱をもって〜
 若く、しがらみのない青年だからこそ、できる事があります。特に前例のない新しい活動に対してこそ、その真価を発揮します。多くの困難や誹謗中傷を受ける事も当然に想像されますが、どのような障壁もまちづくりに対する情熱と仲間の英知を結集すれば、必ず乗り越えられます。勇気を持って、もう一歩前に踏み出していきましょう。
〜明るい豊かな社会を築き上げよう〜
 明るい豊かな社会を築き上げようとは、我々JAYCEEが築き上げるという宣言です。我々の次の世代に、どのような社会を築き引き継ぐのか、一人ひとりがその社会像を明確に持ちながら、一つ一つ活動を積み重ねて行くことが大切です。そして、この2008年度の活動が「明るい豊かな社会の実現」という目標に対して、大きな一歩を踏み出せたと実感できる一年にしていきます。

相模原市のまちづくり
 私たちのまち相模原市は、まさに変革の時です。昨年3月に一市四町の合併が完了し、さらに行政は2010年の政令指定都市への移行を目指すと発表しました。このような変革のなか、私たち市民一人ひとりがまちづくりの主体者として、まちの未来を考えることは非常に大切なことです。地方都市の破綻が現実となっている今、自分たちのまちの未来は自分たちで考えるということを、当たり前の文化としなければなりません。そのために私たちJCが出来ることを着実に行っていきましょう。
 昨年(社)相模原青年会議所は、市長選挙の際に公開討論会を開催いたしました。多くの有権者の方々に参加していただき、意義のあるものであったと自負しております。しかし、その選挙の投票率は50%以下とまだまだ市民の市政に対する関心は低いのが現状です。公開討論会を開催した団体の責務として、この現状を少しでも改善する為に、市長や議会もしくは行政との対話の場をできる限り設け、市民参画を促していきます。
 またサイレントマジョリティ(物言わぬ多数派)の意見をどのように吸い上げ施策に反映させるかは、我々青年会議所も行政も共通の課題です。この課題に対する、新しい手法として注目を集めているのが市民討議会です。この手法が定着し、繰り返し開催される事によって、市民側にも市政が身近なものとなり、まちづくりに対する主体者意識が高まるのではと考えます。そして、相模原市が政令指定都市へ移行をするということは、市民生活にも様々な影響があると言うことです。このまちの変革期に出来る限りの市民の声(サイレントマジョリティ)を、市の施策に反映させて欲しいと願うのは、まちづくり団体である我々にとって当然の事です。この機会に市民参画の新しい手法である、市民討議会の実施を積極的に行政に働きかけ、確実に成功させたいと思います。
 防犯・防災・子育て・介護等、様々な課題が地域には存在しています。この様々な地域の課題を解決するためには、地域コミュニティの活性化は必要不可欠です。ここでの地域とは、徒歩もしくは自転車での生活圏のことを指していますが、この地域コミュニティを活性化させる一つのツールとしてスポーツを活用します。なぜならスポーツには、地域コミュニティの中に存在する全ての人や団体を巻き込んでくれるそんな力があると信じているからです。
 このまちの変革期に、我々(社)相模原青年会議所もこれまでと同じ組織のあり方で良いのか疑問です。まちの新たなるステージに備え、自分達のあり方も検討し、進化させていく必要があります。

国家観
 家族・まち・国、これらは全て無関係ではなく、密接に関連しています。つまり我々が家族を思いやるその先には国があり、国を考えるその先には家族があります。社会の課題は、点でなく面で考える必要があります。
 国の未来を考える時に大切なことは、現代日本がどのように形成されたのかをしっかりと学ぶ事です。この国に限って言えば、特にペリー来航によってもたらされた開国から現代までの国のあゆみを知ることは重要と考えます。自国の歴史をしっかりと学び、正しい歴史認識を持つ事で、過去から現代そして未来へと紡がれる歴史という大きな縦軸の流れと、現代社会を横軸にとったこの交差点に立つ一人の人間として、社会をつなぐという使命感を感じ取る事ができると考えます。この使命感を国民一人ひとりが感じる事によって、国づくりやまちづくりの主体者意識が芽生えると信じます。ただ、この歴史をさかのぼるにあたり現代のグローバル化社会の中で忘れてはならないのが、世界の中の日本という視点です。正しい世界観と自国の正しい歴史認識、この二つを持ってこれからの国づくりを行ないます。
 昨年、国の行く末を大きく左右する一つの重要な手続き法が可決されました。それは日本国憲法改正に関する手続法「国民投票法」です。可決後3年間は周知期間として行使される事はありませんが、憲法議論は、今後の国づくりにおいて最重要課題となるのは明らかです。そのような重要課題に、我々国民一人ひとりが主体者意識をもって関わっていかなければなりません。しかも憲法論議は、これまでタブー視されてきた社会的風潮のせいか、憲法と聞いただけで、「よく分からない」「なんか難しそう」と敬遠されがちです。しかしながら分からないから、分かりにくいからといって無関心のままでよい理由にはなりません。来るべき国民投票の時に備え、市民の憲法に対する関心を草の根的に広める活動をすることは、我々の大切な使命であると考えます。

人材の育成
 いつの時代もまちづくりにおいて最も重要な課題は、人づくりです。なぜならば、まちづくりは「人」が行うからです。その人材育成の場として、高い志を持って活動し続ける青年会議所ほど最適な場はないと確信します。青年会議所の拡大活動はまちづくり活動そのものであるという決意のもと、昨年からの理念を引き継ぎ一つの節目として会員数200名(チャレンジ200)を目指します。
 また入会したからといってすぐに同じ志を共有できるかと言えば、決してそんな事はありません。会員同士が様々な議論・活動を通して行くことで、徐々に志や目的の共有化が図られていくのだと考えます。その議論や活動の場とは、例会や委員会であり、一人でも多くの会員が参加する事が大切です。その為にも新入会員に対する適切なフォローを行い、青年会議所活動に対する早期理解を促します。
 さらに我々が、他団体との連携を図る時や様々な地域活動に参加していく時、最も大切なものが、明るい豊かな社会を実現するのだという情熱であり、どんな困難にぶつかっても折れない心、つまり人間力です。そしてその情熱を空回りさせない為の、大切なスキルの一つが会議のやり方や会議の進行(ファシリテーション)能力であると考え、そのスキルの習得と向上の機会を設け、社会変革を起していける人材の育成を致します。

後継者を育てる
 我々は、今現在直面している課題を解決する事も大切ですが、次の世代を育てる事も大切な使命です。青少年は、無限の可能性を秘めています。我々責任世代の大人は、伸ばすべき良い可能性を最大限に伸ばしていくように心掛けなければなりません。そしてこの可能性の伸ばす為の土台は、幼少期における家庭内の躾で養われるものと考えます。子どもは親を映す鏡です。ならば、子ども達は大人達を映す鏡です。次代の後継者を育てる為に、まずは道徳心の欠如が騒がれる現代社会のゆがみを治す事からはじめる必要があります。つまりは、社会の中核をなす大人、青少年の親世代の道徳感を正すことが大切と考え、我々大人が変わることから始めます。
 後継者育成に当たって、家庭・地域・学校この3者の連携は非常に重要であり、この連携の中核を担うのは、学校であると考えます。しかし、現在の学校教育の現場には、課題が山積みです。給食費未納問題やモンスターペアレント等に見られる、一部のモラル無き大人の対応に現場職員が追われ、子ども達と真正面から向き合う事が難しくなっています。その解決もしくは改善ために、地域の大人が積極的に行動をとる必要があります。我々は、自ら学校教育の現場に飛び込み、様々な話に耳を傾け、後継者育成の主体者である地域の大人として、課題の解決・改善のために行動していきます。
 また少年期から青年期にかけては、学校や教室の中だけでなく、様々な経験をすることによって知識や知恵を吸収していきます。特に自然体験や社会体験からは、多くのことを学ぶことができます。さらに、この時期に自然や社会とどう関わったかが、社会創造の主体者となった時の行動に大きな影響を及ぼします。子どもの時に培った沢山の良い思い出があるからこそ、自然や社会に思いやりをもって自発的に活動できる大人となるのです。確かに、悪意を持った大人の存在や交通事情などもあり、外で子どもを自由に遊ばせられない一面もあります。しかし、そんな社会だからこそ、子ども達が自然や社会に関われるそんな場を積極的に設けていきます。

組織運営
 青年会議所の活動は、大きく2つに分けられます。それは組織を維持発展させていくための運営的な活動と社会変革を起こしていくまちづくり活動です。我々の目的が「明るい豊かな社会の実現」である以上、組織の維持発展はこの目的を達成するためにある活動です。だからこそ、運営的活動の改善・改革は常に行なわなければならない内部課題です。総務・財務・広報・渉外どの活動に対しても前例に囚われる事なく、常に問題意識をもって当たり改善・改革を行います。改善・改革の視点は、より良いまちづくり活動を行うためにです。
 さらに「明るい豊かな社会の実現」には、行政やボランティア団体等との連携を取りながら、一人でも多くの市民を巻き込んでいく事が必要不可欠です。このような、地に足の着いた運動展開をして行く時に、大切になるのが社会からの信頼です。この社会からの信頼を具体的に表したものが、昨年の公益法人制度改革により創設される公益社団法人格と捉え、この法人格取得に積極的にチャレンジします。
 また、これまでの活動が認められ、折に触れ他団体や行政から(社)相模原青年会議所へ出向の依頼があります。これらの申し入れは、非常にありがたい機会であり積極的に活用していきたいと思います。出向先で、的確な意見や信念の在る考え方を発言していく事は、まちづくりネットワークの強化につながり、さらに社会からの信頼を得られる活動だからです。

最後に
 青年会議所には、社会を変える力があると確信しています。なぜなら青年会議所には、全国に張り巡らされたネットワークと類まれな情報収集力があり、20〜40歳までという責任世代が最も多く集まっている団体だからです。そして何より、1949年に初めて日本に青年会議所が設立されて以来行なってきた社会貢献活動の実績による社会からの信頼があるからです。この力を信じ、不退転の決意をもって活動していきます。
 さらに、世界組織である青年会議所の一員として活動をしてきた財産に、(社)韓国釜山海雲台青年会議所との姉妹締結、中国無錫市青年連合会との交流締結があります。そして本年は、(社)韓国釜山海雲台青年会議所がASPACを主幹いたします。これを絶好の機会と捉え、これからのアジアを担う日中韓という国家の青年同士が、さらなる友好関係構築できる様に努力します。
 また本年度は、我々(社)相模原青年会議所の同志である、第39代理事長の柴田正隆君が(社)日本青年会議所 関東地区 神奈川ブロック協議会会長という大役を担います。これは(社)相模原青年会議所会員にとって青年会議所活動の広がりを強く実感できる得難いチャンスです。県内20青年会議所とのネットワークを最大限に活かし、神奈川県のまちづくりにも積極的に取組んでいきます。神奈川県と相模原市、この両方のステージでまちづくり活動を行う事によってさらなる組織の活性化が図られ、これまで先輩諸氏が作り上げてきた(社)相模原青年会議所の信頼と実績をさらに発展させていきます。

 最後に、2008年度は(社)相模原青年会議所43年の歴史の中で、最も市民から「ありがとう」と言われた一年となるよう、全会員一丸となってまちづくり活動に邁進して行きます。
社団法人相模原青年会議所
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